人の命を扱うことになる医学部では、学力だけではなく面接でその人の人間性をしっかりと見極めています。
受験生がどういった人間なのか、その人の性格や受け答えの感じなどを面接で見ていますが、普段どおりの受け答えができていれば問題はありません。
しかし、受験生は医学部受験の面接ということもあり、自分を偽って質問に受け答えしたり、どうしても印象に残ろうと奇抜なことをやってしまいがちです。
面接ではこういったことは絶対に避けて、徹頭徹尾いつも通りの自分を出すことができれば、必ず良い結果を得ることができるでしょう。
そこで今回の記事では、医学部受験で重要な面接試験に関して、失敗して後悔しないよう知っておくべきポイントを紹介していきます。
目次
医学部面接の形式について
医学部面接の対策をするにあたって、まずは面接の形式を知っておく必要があります。
特に近年では、学力よりも面接での人柄や受け答えの感じを重視している大学もあるほどであり、面接対策を軽視してしまうと合格から遠のいてしまいます。
そこでまずは、当日になって面接の形式がどういったものか知らず、焦って失敗しないように、面接形式をしっかりと覚えておきましょう。
基本ルール
まずは基本ルールについてです。
以下で最低限知っておきたい基本ルールをまとめたので、是非参考にしてください。
【面接官】
医学部の面接では、受験生1人に対して平均3~4人の面接官が担当することになります。
【面接での服装・マナー】
面接での服装は、現役生の方は高校の制服。
浪人生や制服の無い高校生の方は、スーツなどフォーマルな服装で面接に臨みましょう。
また、入退室や受け答えの仕方など、マナー面もしっかりと注視されているため、必ず最低限のマナーは事前に覚えておくことをおすすめします。
面接形式
面接の形式は以下のような形で行なわれるのが一般的です。
•個人面接
•グループ面接
•グループディスカッション
個人面接
個人面接では受験生に対して、面接官が様々な質問を行ないます。
•この大学を志望した理由
•医師を目指すきっかけや理由
•試験に関する質問(小論文に関するテーマが多い)
•中高時代の学生生活や部活動での経験など
•最近気になったニュースや時事に関する問題
こういった様々な質問をされる可能性が高いため、必ず事前に質問に対する答えをおおまかに決めておきましょう。
面接はおおよそ15~30分行なわれて、面接を重視する大学では、時間や回数も多い場合があるため、事前に志望校がどのくらい面接に力をいれているか調べておく必要があります。
グループ面接
グループ面接は、その名の通り同時に複数の受験生で面接を受けるというものです。
個人面接に比べ、質問への回答を簡潔にまとめる力や協調性が求められます。
もっとも質問の内容など基本的な部分は、個人面接とほとんど同じ場合が多いため、しっかりと集中していつも通りの受け答えを心がけましょう。
グループディスカッション
グループディスカッションでは、受験生が何人かのグループに分かれて、ある議題に関して討論を行ないます。
自分の意見を発するということだけではなく、自分が集団の中でどういった役割をはたしているのか、コミュニケーションは適切に取れているかなどもしっかりと試験官に見られているのがグループディスカッションの特徴です。
議題は医療関係のものから、時事問題など多岐に渡るため、事前にしっかりと準備をしなければいけません。
医学部面接でのよくある質問とは
医学部面接ではどういった質問をされるのでしょうか。
以下でよくある質問とおすすめの答え方をまとめたので、ぜひ参考にして下さい。
志望理由
医学部面接において志望理由は、必ず聞かれるであろう質問です。
そのため適当に答えては絶対にいけない質問でもあります。
親が医者であったからという答えは、ありふれているものであり、できるだけ質問の答えにはしない方がよいでしょう。
自分が興味をもったきっかけと、きっかけから実際にどういった行動を起こしたのか、できるだけ具体的に答えてください。
理想の医師像
理想の医師像がどういったものかも、できるだけ具体的に答えましょう。
自分の志望理由から考えて、どういった医者になりたいのか、専門にしたい・興味がある分野はどういったものかも必ず明確にしておくことをおすすめします。
最近気になったニュース・医療に関する話題
面接では必ずといってよいほど、最近気になったニュースや、医療に関する質問をされます。
医療に関する質問はもちろんのこと、最近起きた時事ニュースなどは最低限知っておかなければ面接に対応することはできないでしょう。
長所・短所
面接では自分を良く見せたいといった気持ちから、長所ばかりを説明しがちです。
しかし面接官が気になっているのは、むしろ短所であり、短所をどのように克服したのか、その過程を知りたがります。
できるだけ自己分析を行い、自分の短所とその解決のために行なったことをしっかりと説明しましょう。
中学・高校時代の経験
中学・高校時代の経験というのも、医学部の面接では常に聞かれるトピックになります。
学生生活でどういったことをしたのか、日常生活や学校での過ごし方を振り返りながら答えましょう。
特に部活などで壁にぶつかってしまった人や、トラブルが起きた経験がある人は、それを解決した経験がどういったものか説明するのも有効な面接テクニックです。
趣味・特技
受験生のことを面接の場で見極めるためには、趣味や特技などからも判断する必要があります。
勉強だけではなく趣味・特技といった面から、どういった人物なのか、何が好きで何が嫌いなのかを面接官は知りたがるでしょう。
趣味や特技が無い人というのもいるかもしれませんが、正直に無いというよりは、できるだけ自分の趣味・特技をしっかりと紹介できる人のほうが印象は良いです。
部活・クラブ・毎日の生活を振り返って、やったことのあることを自分の趣味や特技として生き生きと語ることが出来る人物であると思われたほうが、面接官の印象的にも良いので事前にいくつか考えておきましょう。
併願校
併願校も聞かれますが、嘘をついて「1つしか受けていません」と答えるのはかなり不自然です。
ほとんどの受験生は滑り止めなどで複数校受験していることでしょう。
あくまでも第一志望校であることは伝えておき、すべり止めで何校か受けていることも言いましょう。
浪人、再受験の理由
浪人生や再受験の人の場合、面接でもその理由が聞かれる場合があるので注意が必要です。
医学部面接での注意点
医学部面接ではどういった点に注意する必要があるのでしょうか。
以下で詳しく見ていきます。
志望校の「アドミッション・ポリシー」を確認する
大学にはそれぞれどういった人材が欲しいのか、どういった医師を育てたいのか「アドミッション・ポリシー」という方針が定められています。
例えば、国際性を高めて海外で活躍できる医師を輩出することが目的のところもあれば、地域に根付いた医師の輩出を目的とする大学もあり、方針はさまざまです。
国際性豊かな医師を輩出したい大学の面接で、海外に興味が無く、地方で働きたいと言っても逆効果なのは目に見えています。
そのため事前にしっかりと「アドミッション・ポリシー」を確認して、それに基づいた受け答えをするようにしましょう。
想定問答を準備する
面接ではその場で全てアドリブで答えなければいけないというわけではありません。
上記でも紹介した面接でよく聞かれる質問に対して、想定問答を準備しておけば、本番でも焦ることなく受け答えをすることが可能です。
最低限のマナーには注意する
面接での最低限のマナーについては、必ず事前に調べて身につけておく必要があります。
服装はもちろんのことですが、面接室に入るときの入退室時のマナーや、話し方などの細かい点も面接官は見ているので注意が必要です。
マナーで減点されてしまってはもったいないので、最低限の知識は身につけて面接に臨みましょう。
正直に自分の言葉で伝える
面接官は毎年のように膨大な人数の受験生を面接しているため、違和感のある受け答えは作ってきたものだと見抜いてしまいます。
あまりにも自分の年齢に不相応な話し方や考え方、誰かが考えたものを覚えて喋っているだけのような受験生は、面接官の印象がかなり悪くなってしまうので注意して下さい。
できるだけ自分の気持ちや言葉で、面接官と受け答えをするようにしましょう。
まとめ
今回は医学部受験の面接のポイントについて解説してきました。
医学部受験における面接では、様々な注意点があるので、出来るだけ事前にしっかりと準備をしておかなければいけません。
中途半端な準備のままで面接に望んでしまうと、緊張や準備不足で面接官に対して気持ちを伝えることができず、不合格になってしまいます。
準備をしておけば落ちる確率は筆記試験よりも低いので、侮らずしっかりと準備をして本番に臨みましょう。